病気というと生活習慣病などの身体に症状が現れるものをイメージする方が多いですが、ココロに現れる病気もあります。
精神的な疾患で最も有名なのは「うつ病」で、気分の落ち込み・不安・焦燥感・不眠症・倦怠感などを発症します。
うつ病は誰にでも発症する可能性がある身近な病気です。
「自分は大丈夫」と思っている方でも発症しますし、現在ではある調査で16人に1人が生涯でうつ病を経験すると言われています。
そんなうつ病治療は休養やカウンセリングが基本ですが、症状によっては抗うつ剤と言われる薬が処方されます。
抗うつ剤には様々な種類があり、気持ちをリラックスさせたり意欲や気力を高めたりする作用があります。
うつ病は長期間の治療が必要となりますが、正しく抗うつ剤を服用すれば必ず症状は改善されていきます。
こちらではうつ病治療に有効な抗うつ剤「サインバルタ」について詳しく紹介します。
サインバルタってどんな薬なの?(特徴・適応症)
サインバルタはSNRIに分類される抗うつ剤です。
有効成分はデュロキセチンで、脳内伝達物質のセロトニンとノルアドレナリ心の病に有効なサインバルタ
日本では2010年から販売が開始、現在では100カ国以上で処方されている認知度の高い抗うつ剤になります。
サインバルタの主な効果
有効成分のデュロキセチンにはセロトニン(気分の安定、睡眠、体温調節など)とノルアドレナリン(学習力、記憶力、意欲など)を増加させる作用があります。
従来の抗うつ剤にはノルアドレナリンの働きを高めるものが多かったのですが、サインバルタはセロトニンの働きを高めてノルアドレナリン効果も高めます。
また、サインバルタには精神疾患だけではなく痛みを抑える作用もあるため、うつ病や不安障害などの精神症状はもちろんのこと、慢性的な疼痛がある疾患全般に効果が期待できます。
幅広い症状に効果があるため、現在では精神科や心療内科だけでなく内科や整形外科でも使われています。
副作用が少ない
サインバルタは抗うつ剤の中でも新しい世代で、従来の抗うつ剤に比べて副作用が少ない特徴があります。そのため、うつ病治療の第一選択薬として使われることが多いです。
ただし、副作用は出にくいものの、服用初期に胃痛や吐き気などが生じる恐れがあります。
基本的に服用を続けることで症状は軽減されていきますが、症状を軽減させる方法もあります。
例)
吐き気がある場合…食事量を抑える、胃薬の活用
眠気がある場合…早寝・昼寝習慣を身につける
不眠がある場合…規則正しい生活や睡眠導入剤の使用
便秘がある場合…食生活の改善や水分補給
2~4週間で効果を実感
サインバルタには即効性がありません。
効果が現れるまでには個人差がありますが、おおよそ2~4週間で効果が現れてきます。ただし、疼痛に対して服用する場合には、もう少し早く効果が現れる傾向があります。
服用開始は20mg~となりますが、症状に応じて60mgまで増量することができます。ただし、増量する場合には2週間以上の間隔を空けて20mgずつ増量してください。
サインバルタにはジェネリックがあるか?
うつ病治療は保険が適用されるので3割負担の金額で治療できます。また、費用の負担を軽減する制度もあります。
ですが、うつ病というのは外傷とは違って完治しているかどうかが目に見えません。また、症状によって治療期間には個人差があるので2~3ヶ月で良くなる方もいれば1年以上かかっても良くならない方もいます。
治療期間が長引くほど治療費用もかかってきますし、就業が困難な場合には治療を続けにくくなります。
そこで、気になるのがジェネリック医薬品の存在。
ジェネリック医薬品は先発薬(ここではサインバルタ)を元に製造されるお薬でコストが抑えられているため、低価格で提供できます。
しかし、残念ながら現時点でサインバルタのジェネリック医薬品はまだ販売されていません。そのため、デュロキセチンを含む抗うつ剤で治療を進めていく場合にはサインバルタを選ぶしかありません。
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